中国から神戸国際大学に留学し、現在は上海で日本文化を伝える会社を経営しています。
神戸国際大学に入学したキッカケはなんですか?
2009年の春、中国の大連外語学院の日本語科から本学に転入学しました。日本語は高校卒業後に勉強を始めましたので、最初は覚えることが多く大変でしたが、「なんとしても日本に留学したい」と言う思いで勉強を頑張りました。
中国にいるときから神戸のことはオシャレな街というイメージがありました。実際に留学先を選ぶときに大学のパンフレットを見て、ますますその印象は強くなりました。神戸国際大学はビジネスの勉強だけでなく、国際関係や文化についても勉強できることが留学先を選ぶ決め手になったことを覚えています。
留学生活はいかがでしたか?
最初は日本語での授業が難しく必死に頑張りました。授業内容の復習を毎日一生懸命続けていると、段々語学力も上がり専門的なことを学ぶことが楽しくなってきました。それと同時に最初は工場で始めたアルバイトでしたが、卒業前は広告会社で翻訳の仕事ができるようになりました。日本へ中国からのインバウンドが盛んになり始めた時期でしたので、仕事も多く今考えても凄く良い時給をもらっていました。
また、日本人学生ともたくさん交流し、お互いの文化や生活、言葉などを教えあいました。休みの日には中古で買った車を運転し、節約しながら日本中を旅しました。日本の街並み・景色だけでなく、旅先で出会った人たちと触れ合うことが何よりも良い思い出となりました。そういった経験から、ビジネスだけでなく文化についても、もっと勉強したいと考えるようになりました。
ゼミはそういった理由から選んだのですか?
はい、毛丹青先生のゼミは日中の文化についても学ぶことができるので選びました。他にも先生の研究室には日中の面白そうな本がたくさん置いてあり、ゼミに入って読むことができたら良いなぁと思っていました。
結果として毛先生との出会いは自分にとって運命的なものとなりました。日中の文化比較をしながら研究すること、日本語の評論を中国語に翻訳して伝え方を学ぶことは大変でしたが自分の力になりました。自分でまとめた文章を上海のブックフェアで発売できたことは、とても嬉しい思い出となっています。
また、恩師である毛先生に「知日」という考え方や、先生が北京で発行している雑誌についても学ぶことができました。そういった経験が後のビジネスにも強く影響を与えています。
卒業後はどうされているのですか?
2013年に卒業した後、毛先生のご推薦で最初の3年間は日本の法律事務所で働きました。日本のビジネスについて学ぶ良い経験になり、たくさんの方にお会いすることができました。そして、今は中国に戻り上海で自分の会社を経営しています。
事業は『在日本』という日本に関する雑誌や書籍の出版や、日本向け旅行のコーディネートをしています。特に『在日本』は、日本について食べる・買うなどだけでなく、生活に密着した内容や精神面も中国人に伝えています。旅行ガイドなどでは物足らない「より深く日本を知りたい」と考えている中国人も多いので非常に人気があります。
二年前は、芥川賞作家である又吉直樹先生の中国語版発売にあたって、中国語版を翻訳された毛先生と中国の上海に行くキャンペーンにも企画者の一員としてご一緒させていただきました。これからも日中文化交流の懸け橋となるようなビジネスを続けていきたいと思います。
神戸国際大学を目指す学生にメッセージをお願いします。
神戸国際大学の建学の精神「神を畏れ、人を恐れず、人に仕えよ」にある奉仕の精神の下学ぶことができたのは、今の自分にとってすごく役に立っています。今、会社を経営する際にも、「まずは他人を成功させよ」ということを意識しながら頑張っています。皆さんも大学で力をつけて、社会に役立つような人になって欲しいと思います。
また、神戸国際大学にはキッカケがたくさんあるので、入学後はそれらをどんどん活かしてください。