建学の精神

神を畏れ、人を恐れず、人に仕えよ

神を畏れ、人を恐れず、人に仕えよ

 神戸国際大学(以下、本学という)の創立者八代斌助師父はキリスト教の精神に基づき、「神を畏れ、人を恐れず、人に仕えよ」を建学の精神として掲げました。
最初の「神を畏れ」とは、神を恐怖すべきものとしてではなく、畏れ尊ぶべきものであることを示しており、真理・真実に対する謙虚さをあらわしています。
次の「人を恐れず」とは、人間は神によって平等につくられた存在であるから、誰をも恐れることなく誰にもへつらうことなく、平等に交際することが大切であるという意味です。いかなる権力者に対しても、また相手の数が多くても、恐れることなく立ち向かっていかなければ何事もなし得ることはできません。平等を基盤とする国境をこえた同胞・兄弟意識をあらわしています。
最後の「人に仕えよ」とは、打算的利己主義からでなく、相手のためにという“愛”を動機として行うものでなければならないという意味です。『新約聖書』の「ルカによる福音書」第22章26節によりますと、主イエス・キリストは「あなたがたの中でいちばん偉い人は、いちばん若い者のようになり、上に立つ人は、仕える者のようになりなさい」(新共同訳)と言われ、隣人への愛に生きる人間となるよう求めていたのです。
このような意味を持つ建学の精神は、キリスト教主義を基本的視点とした全人格教育を行おうとする本学のバックボーンであります。急速に社会のグローバル化が進展する一方、物質的豊かさの増大に反比例するかのように精神的貧しさが深刻化している状況の中で、この建学の精神の持つ意味がますます重要になってきています。本学はこの建学の精神を基本理念とし、国際性と良識を備えた有為な人材を育成することを目標にしています。

創立者

八代 斌助 師父

八代斌助師父は、キリスト者として17歳の若さで伝道、聖職者の道へと入り、以後世界を舞台にその生涯を宗教活動に捧げました。とくに戦後の業績は特筆すべきもので、1948年、戦後の日本人として初めて海外渡航の許可を受け、国際会議に出席。当時のイギリス国王ジョージ6世に昭和天皇のメッセージを手渡すなど、日本と世界との外交関係が絶たれていた中で民間大使として貢献しました。その活動は全世界においても知られており、今日でも高く評価されています。

神戸国際大学とキリスト教

神戸国際大学は、英国国教会(The Church of England)によって宣教された日本聖公会に属し、「キリスト教にもとづく教育を行う」ことを目的としています。しかし、これはキリスト教を信仰させようという意図ではありません。それは、お互いの存在を尊重し、互いの理解を深め、互いに尊重し合い、互いに授け合う人間として交わることが、根底になければならないことを示しているのです。このような人格を尊重する教育理念を、わたしたちは「キリスト教にもとづく教育を行う」と理解しています。

クリスマス礼拝