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「正しい姿勢と笑顔を忘れない」本学学生が高校生に出張授業

神戸市中央区のホテル北野プラザ六甲荘で

 経済学部の鍋嶋正幹准教授の下でホテルマネジメントなどを学んでいる学生が11月7日、神戸市中央区のホテル北野プラザ六甲荘で高校生を相手に出張授業を行った。ホテル業界への就職を目指している高校生に身だしなみや姿勢、笑顔や言葉遣いなどホテルで働く際のホスピタリティ(おもてなし)の要素などを伝えた。

 講義した学生は同学部国際文化ビジネス・観光学科3年の河合彩音さん(20)=兵庫県加古川市出身=と南部穂乃花さん(21)=神戸市出身=。2人もホテル業界への就職を視野に入れて勉強中で、ともに同市内の一流ホテルでアルバイトしてフロント業務などに取り組んでいる。自身が経験している接客方法などを生徒たちに細かく伝授した。

ホテルでのアルバイトで接客力をつける河合さん(中央)
タイでの海外インターンシップに備える南部さん(左)

 授業を受けたのは同市立神港橘高校の「観光ビジネスコース」の2年生15人。ホテル北野プラザ六甲荘では毎年11月20日の「ホテルの日」に合わせて、フロントやコンシュルジュ(総合世話係)、レストランでの接客などの業務を同校の生徒だけで行い、1泊2日のホテル運営に挑戦する「高校生ホテル」を開催している。今年で7回目となる高校生ホテルが迫っているだけに、生徒たちは目の色を変えて大学生の講義を聞き入り、体感していた。

高校生にマイクを向けて質問する鍋嶋先生(中央)

 河合さんは身だしなみやお客様を誘導する時などの手の挙げ方を伝授。常に笑顔を絶やさないことを強調し、理想の笑顔を「(上の)前歯を6本以上見せること」と伝えると、生徒たちはお互いに顔を見つめ合いながら前歯6本見せる難しさを体験しながら理想の笑顔を探求した。南部さんはロビーなどで待機する際の立ち姿やお辞儀、あごを引いて背筋を伸ばした歩き方、旅行カバンなどの受け取り・渡し方、言葉づかいなどを説明。お辞儀は3種類あり、「会釈」は直立の姿勢から上半身を15度に傾けて2秒静止、「敬礼」は30度で3秒、「最敬礼」は45度で4秒。「タメ」を作ってメリハリをつけることでよりきれいに見えるといい、それぞれのお辞儀を生徒の前で実演し、いっしょに頭を下げて体に覚えてもらった。また、コンシェルジュの使命として「自分が拠点を置く街を熟知」「正しいアドバイス」「お客様に満足と感動を与える」を挙げて、ホテルの顔となるポジションの重要性を伝えた。

 1時間半ほど授業を受けた生徒たちは、どの顔も満足げ。「いままで分からなかった言葉づかいや姿勢の大切さが勉強になりました」「マナーなど細かいところまで説明してくれたのが良かった」「前歯を6本以上出すのは難しいけれど、そういう意識で笑顔を絶やさないことが大事だと思いました」「(アルバイトなどで)経験のある大学生の方の話は分かりやすかった」などと、本番に生かせる授業内容を喜んでいた。

 鍋嶋ゼミでホテル産業を学び、昨年9月から神戸メリケンパークオリエンタルホテルでアルバイトをしている河合さん。宿泊客のチェックインが始まる午後3時からのフロント業務や、ロビーに立って利用客の案内や要望への対応などに携わっている。「1年経って周りが見えるようになりました。お客様が何を考えているのか、何を求めているのかなどを先に察知し、先回りして動く力が身についたと思います。ますますホテルで働きたくなりました」と胸を張る。高校生を前にして話すのは初めての経験だったが「準備してきたことをしっかり伝えることはできました。おもてなしの心を1番伝えたかった」と満足そうに授業を振り返った。

高校生の前で初めて授業を行った南部さん(右)と河合さん

 海外インターンシップで来年2月から2か月間、タイのホテルで実習する南部さんも高校生と触れ合うのは初めてだった。「緊張しましたが、みんなすごく素直でした。姿勢と見た目が接客業では1番大事な部分であることが伝わったと思います」と笑顔で高校生を見つめていた。タイでの実習に備えて11月からホテルオークラ神戸でアルバイトを始めた。「タイでは英語力も不可欠。それ以外にも学ぶことはたくさんあります。お客様がこのホテルに来て良かったと思ってくださるような接客ができるようになりたい」と目標は高い。カフェめぐりが大好きで、将来は「地元のおすすめスポットなどを紹介して共有するなど、コンシェルジュの仕事に1番就きたい」と夢を膨らませている。