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古都・奈良でホテルブライダルを学ぶ
鍋嶋ゼミの4年生17人
経済学部の鍋嶋正幹准教授のゼミでホテルブライダルを学んでいる国際文化ビジネス・観光学科4年生17人が6月20日、奈良市内にある結婚式場とホテルを見学。ウエディングの現場で働いている従業員やホテルの支配人らと交流して生のホテルブライダルを学んだ。鍋嶋ゼミでは公募して選んだ一般カップルの結婚式をプロデュースする企画が進行中で、11月に神戸市内のホテルで結婚式を開催することが決まっている。学生たちはプランナー、司会、音響、写真など各担当が決まっており、現場の専門家のアドバスに聞き入っていた。

17人がまず向かったのは奈良公園近くの猿沢池に隣接するブライダル施設「KOTOWA奈良公園Premium View」。チャペルの天井はガラス張りで高さが12㍍もある。自然光が降り注ぎ、開放感は満点。白色を基調として新婚夫婦の今後の幸せな未来を色付けていくようで、学生たちは将来の自身の花嫁姿を想像しているのか、雰囲気に酔いしれていた。バンケット(宴会)ルームでは新郎新婦の入場シーンをスクリーンで再現。出席者らが祝福する姿などを集めたエンディングロールも流され、結婚式の様子を十分に味わった。その後の質疑応答では11月に「本番」を演出するだけにプロのウエディングプロデューサーや音響担当者の言葉に熱心に耳を傾けていた。
「プランナーはまずお客様との距離感を縮めることから始まる。そのために必要なことは共感すること」
心を開きにくい人の場合はひたすらほめ言葉を並べるという。「いい服着ていますね」「センスがいい」「よく似合っています」などと話しかけ、相手が自然と話したくなるようにもっていくことが大事だという。「今朝は何を食べましたか」「どんなことが好きですか」など私生活や趣味についても触れ、人と人として、仲良くなれるように努力することも不可欠だという。
披露宴での進行については司会の役目や音響効果などにも触れ、新郎新婦との打ち合わせが決まったらシミュレーションを繰り返し、進行の遅れや新郎新婦と招待客の距離感のズレなどが発生した場合は、誰が合図を出して修正するかなどを事前に決めておくこと、音響効果で場を盛り上げるタイミングの図り方など、全員で協力してより良い空気感を作ることもアドバイスされた。

結婚式の実習でプランナーを担当する村木華子さん(21)=山口県出身=は「(プロの方の)説明に変な間がなくスムーズで、お客様に違和感を与えない話し方だったのには驚きました。こういうしゃべり方ができるようになったらいいな、と感じました」とプロの話術に舌を巻いていた。井澤こころさん(21)=神戸市出身=も「披露宴が進行する流れを聞くことができました。感情が高まっている場面では間を置くとか、花嫁さんの表情を見ながら進行の早さを調整するなど、実際の現場をのぞかせていただいているようでした」と机の上だけでは学べないことに触れられて満足そうだった。
一行が次に向かったのは奈良県庁近くの「紫翠ラグジュアリーコレクションホテル奈良」。奈良公園の西端に位置し、春日大社や興福寺、東大寺などの世界遺産にも囲まれている。大正時代に建てられた「奈良県知事公舎」をリノベーションしたメイン棟では奈良の食文化の歴史を味わえるレストランなどがあり、敷地内には四季折々の奈良の自然の美を感じられる日本庭園などがある。宿泊棟には43の客室があり、自然と調和する色やデザインのインテリアはオーダーメイド品ばかり。羽鳥寛之・総支配人らの案内で学生たちは敷地内を1時間ほど見て回り、古都・奈良の伝統の息遣いに触れていた。

銘苅梨乃さん(21)=沖縄県出身=は「自然観がすごくある奈良の魅力を感じました。庭園の手入れも自然な部分を残していると聞いてびっくり。奈良の居心地よさも感じました」と古都の魅力にひかれていた。同じ沖縄県出身の山里遥さん(21)は「ホテルで働いている方たちが楽しそうで、ここで働くことが本当に好きなんだと感じました。いつか母親を連れて来て一緒に泊まってみたい」と夢見ていた。卒業まであと一年を切った4年生。就職を前に古都・奈良の魅力を十分に味わい、今後の活力に変えていた。