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リハビリテーション学部3年生を対象に、障害を持たれた方やご家族の方が参加した授業を行いました

リハビリテーション学部理学療法学科3年生を対象とした、地域理学療法学演習の授業では、地域理学療法を展開する上で必要な理学療法士の関わりと、介護保険領域、福祉領域の高齢者や障害を持たれた方の生活支援について学習しています。

2021年11月11日(木)に実施した授業では、障害を持たれた方やそのご家族、支援者をお招きし、対面とオンラインで授業を行いました。神戸市東灘区自立支援協議会くらし部会より4つの団体にご協力いただき、聴覚障害、肢体障害、知的障害、精神障害の4領域について、本人や保護者、支援者による講演と質疑応答を実施しました。

障害を持たれた方やそのご家族から話をお聞きするこの授業ですが、2016年から実施しています。例年はグループに分かれ座談会形式で行っていますが、今回は当事者や保護者に、それぞれ障害の内容や生活の様子をお話いただきました。聴覚特別支援学校のことやリハビリの様子、生活の中で気を付けていること、行政の支援や保護者の思いなど、具体的な内容をお伝えいただきました。

さらに「手話のできない方と会話するときにどうしているか?」「どのように障害受容したか?」「災害時に支援がどうなるのか?」「関わるうえで配慮できた方が良いことは何か?」など、学生からアンケートで集まった質問について、丁寧に回答いただきました。

また、当日は神戸市東灘区役所より3名の方にもお越しいただきました。保健福祉部健康福祉課の長村信幸課長は、「理学療法士を含め医療従事者は治療や病気やケガの部位についてだけでなく患者や周りの方、社会環境も含めて理解することが必要です。直接話を聞くことは、当事者理解につながるので、とても良い機会だと思います」とお話しされました。

ひがしなだ障害者相談支援センターの曽我部由美さんは、「障害のある人々とその家族が地域で安心して過ごしていけるよう啓発活動を行っています。将来理学療法士になる学生の皆さんが、障害を持った方と関わる際に今日の当事者の話を思い出して欲しいです。また、街で困っている様子の方がいた場合に、声を掛けられるようになって欲しいと思います。」とコメントをいただきました。

授業を受けた学生は、「生活で不便なことや障害受容についての話が印象に残っています。授業で習う知識とは違い、それぞれの障害のある人達の実際の声を聞くことができました。近々実習がある中で本人から実際の話を聞けたことは良い経験になりました。(女子)」「家族の接し方など具体的な話を聞くことができ勉強になりました。今後リハビリテーションの際に、今日のことを踏まえ、周りについて考えながら治療できる人になりたいです。(男子)」と話しています。

また、授業を担当する小枝英輝教授は、地域理学療法の授業では高齢者や障害を持たれた方やそのご家族の生活支援を想定しながら、理学療法士の介入方法や技術について学習しています。しかし、教員は当事者の『思い』や『考え』までは伝えきることが出来ません。そういった中、お越しいただいた皆様が医療従事者に理解して欲しいという思いをお話いただけたのは、学生にとって非常に良い経験になりました。」と振り返っています。

ご協力いただいた団体の皆さま、神戸市東灘区保健福祉部健康福祉課の皆さま、ありがとうございます。改めて御礼申し上げます。

■ご協力いただいた団体

・東灘区聴力言語障害者福祉協会
・神戸ろうあ協会
・手話サークルうはら
・東灘区肢体障害者福祉協会
・神戸市重度心身障害児(者)父母の会 東灘支部
・特定非営利活動法人チャレンジひがしなだ
・株式会社ラルーチェ 就労支援つぼみ
・木の芽家族会
・社会福祉法人木の芽福祉会 障害者地域活動支援センター わかば
・東灘区自立支援協議会 くらし部会
・神戸市東灘区保健福祉部健康福祉課
・おかもと障害者相談支援センター
・うおざき障害者相談支援センター
・ひがしなだ障害者相談支援センター