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いっしょに働くイメージが持てるそんな学生を採用したくなる
神戸メリケンパークオリエンタルホテルの田中さん

経済学部の鍋嶋正幹准教授のホテルゼミで学んでいる同学部国際文化ビジネス・観光学科の3年生8人が12月16日、ホテルの採用試験担当者を相手に模擬面接試験を受けて今後に控える就職活動(就活)につなげる授業を受けた。

田中さん(左)と宮﨑さん
模擬面接試験を行ったのは神戸市中央区にある「神戸メリケンパークオリエンタルホテル」の管理部人事総務課の田中洋平さんと宮﨑美希さんの2人。田中さんは同課のマネージャーで採用試験などで実際に面接試験を担当している。宮﨑さんは本学の同学科卒業生で2012年に同ホテルに入社して14年目を迎えている。
ゼミ生は3人、3人、2人の3組に分かれて面接を受けた。田中さんや宮﨑さんが見つめる中、入退室する際のお辞儀や姿勢、いすに座ったり、立ったりする際の動作など本番そのものの緊張感が漂う中でゼミ生たちはしっかりとした動きを見せた。約1分間の自己紹介は全員がはきはきとした口調で大学入学後にやってきたことやアルバイトの経験、ホテルの志望理由などを述べた。「ホテルの従業員として初対面の人との対応の仕方は」と質問されると、「目を見て話す」「声のトーンが低いと機嫌が悪く思われるので、トーンを上げて明るく話す」「笑顔でお客様の目線に合わせ、お客様が何を求めているかを考えながら話す」などと答えていた。
ゼミ生からの質問では、留学生が「外国人の必要性」を挙げた。田中さんは「ホテルはいろいろな職種があり、その中でたくさんの海外の方が働いています。調理や接客が好きな人も多い。海外の方同士の横のつながりも強い」と貴重な戦力として評価していることを説明した。「入社するまでに準備しておかなければいけないスキルは」という質問には、「学生の間にしかできないことを経験してほしい。(社会人として)仕事をすると時間制限があって自由な時間が少なくなります。今しか行けないところがあると思うので行ってください。アルバイトでも遊びでもそこで経験したことが社会人になってすごく大事になってきます」などと、田中さんがアドバイスした。
模擬面接後は田中さんや宮﨑さんが感想をゼミ生たちに話した。田中さんは「みなさん良い笑顔で声もよく聞こえていたので良かった。この人と一緒に働きたいと、神戸メリケンパークオリエンタルホテルで働いているイメージができた人が何人かいました。2年後(卒業後)に何人かがうちのホテルのロビーに立っていてくれたらうれしい」と話した。宮﨑さんは「私の時は就活が厳しくて何社も何社も受けました」と自身の就活当時を振り返った。そしてゼミ生の今後を励ますように「神戸メリケンパークオリエンタルホテルのことをたくさん調べていただいてうれしく思いました。みなさんと一緒に働きたいと思いました。ご縁があって(入社)説明会でまたみなさんとお会いできたらいいですね」と声をかけていた。

田中さんによると「神戸メリケンパークオリエンタルホテルの面接試験をたくさんの学生に受けて頂き、最終的に採用されたのが数名だけの時もあった」という。その狭き門を通り抜けるテクニックとして田中さんは「面接試験は限られた時間で互い(受験者と面接者)を知ること。人柄など見えない部分を知る場でもあるので、自分が用意してきた言葉をそのままスラスラと言うより、言葉に詰まってもいいからその時の自分の言葉で伝えようとした方が好印象になります。学生時代にしてきたエピソードについては『部活を小・中・高の9年間続けて忍耐力が身に付いた』と言うより、『部活を小・中・高と9年間続け、一度も休まなかった』と具体例を挙げたほうが本当に忍耐力があると思う」などと説明した。
今年の夏休みの2か月間に神戸市内などのホテル10社でインターンシップ(各5日間)を経験したという杉山苺香(いちか)さん(21)=兵庫県姫路市出身=は「就職はホテル業界しか見えていない」と言うほどで、面接試験の経験も少なくない。そのうえで工夫していることは「ありのままの自分を見せるためにその時、その時に感じた言葉で話すように心がけています」という。そのために自己紹介やこれまでの経験など用意する内容を文章で覚えるのではなく、単語で頭に入れて対応できるように心がけている。希望の職種は「ベルガール」。「お客様との距離が近く、案内するわずかな時間の中で信頼していただく時間をつくり、プライベートな話までしていただけるようになりたい」と目を輝かせている。



