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学生がプロデュースした結婚式新郎新婦と学生の笑顔が大きな宝物に

鍋嶋ゼミの4年生19人がホテルプラザ神戸で

 経済学部の鍋嶋正幹准教授のゼミでホテルブライダルを学んでいる国際文化ビジネス・観光学科4年生19人がプロデュースした本物の結婚式が9月23日、神戸市・六甲アイランドにあるホテルプラザ神戸のチャペルで行われた。新郎新婦は公募して決まった一般のカップル。今年4月から準備を始め、企画から演出、運営などあらゆる部門を学生らで手掛け、半年かけて準備してきた大プロジェクトで19人がそれぞれの持ち場で協力し合った。式ではすでにお嬢さんがいる新郎新婦の前に素敵なリングガールが登場する演出で出席者の心をつかんでいた。新郎新婦の親子3人の笑顔に19人の笑顔が重なり、秋空の下、心温まる式となった。

 式のクライマックスは白いワンピースをまとった天使のような小さなリングガールの登場だった。この演出は学生たちの一つの挑戦でもあった。リングガールは結婚式のウエディングロードを歩き、結婚指輪が乗せられたリングピロー(指輪を乗せたクッション)を新郎の下まで運ぶ女の子の役割。一般的には新郎の後ろについて入場し指輪を渡したらゲスト席へ戻るため、自分の足でしっかり歩ける4歳以上の子どもが望ましいとされている。しかし、今回はまだ歩き始めたばかりのようなヨチヨチ歩きのお嬢さん。式の途中で集中力が途切れたり、ふざけたりする可能性もあったが、学生らの付き添いで持ちこたえ、神父さんの合図があるとウエディングロードを一直線に新郎新婦の両親のもとに駆け寄り、出席者の心をわしづかみにした。

式前に神父さん(真ん中手前)と
打ち合わせる学生たち
式のリハーサルで学生たちは
新郎新婦の立ち位置を入念に確かめた
ハーサルで指輪の交換を動画に収める
撮影担当の学生(中央)

 企画から準備、当日の運営や指揮などをつとめるプランナーを務めた山里遥さん(21)=沖縄県浦添市出身=は「リングガールが本当に我慢してよく頑張ってくれました。元気な子だったので、何とか形になって良かった」と胸をなでおろした。これ以外にも学生たちには不安がたくさんあった。「経験がない分、打ち合わせても疑問点ばかりが湧いてきた」と山里さん。4月にプランナー役に決まってからは19人を取りまとめ、新郎新婦との打ち合わせなどに走り回り続けた。沖縄に帰省した8月は最終段階での資料の更新や打ち合わせ、学生への説明などをズームでこなし、パソコンの前から離れることがほとんどなかったという。式後はチャペル前のガーデンスペースでアフターパーティーを予定していたが、小雨がぱらつく天候となってチャペル内に場所を変更した。「イレギュラーなことが必ず起こると覚悟していました。突然の変更で流れが悪くなったのですが、その中で何をすることがベストなのかを学生たちが考えてできたのが良かった」と笑みをこぼした。

 手作りの結婚式は大学のプロジェクトの一つだが、ホテルのお客さんでもある新郎新婦にとっては一生に一度の大舞台となる。写真・映像を担当した藤井あすかさん(21)=北九州市出身=は「写真や映像は後に残るものだから失敗はできない。何度も練習し、声を掛け合って(担当者)全員で臨みました」という。何度も繰り返したリハーサルとは別に夏休み中に担当者が集まって大学のチャペルを練習会場にして立ち位置などを何度も修正。「できるだけ不安要素をなくそうとしました」と当日の動き方を頭にたたきこんだという。本番を終え、「新郎さんが新婦さんを待っているときにシーンとしてしまう雰囲気を声がけして盛り上げたかったがうまくできなかった。初めてで思うようにいかないのは当たり前ですが、この経験を次に生かしていきたい」と藤井さん。見えない部分で悪戦苦闘の連続でもあったが、式後に新郎新婦の親子3人を囲んだ記念写真が19人の大きな宝物になっていた。

結婚式後は新郎新婦の親子3人と学生たちの笑顔が重なった