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新しい存在意義を示して 若い世代の利用者を増やしたい

リーガロイヤルホテルグループの山下愛智さん

「株式会社ロイヤルホテル」経営企画部部長代理の山下愛智さんをゲストスピーカーに招き、経済学部の鍋嶋正幹准教授が教える「ホテル産業論」でロイヤルホテルの歴史や役割、今後の存在意義などが語られ、ホテル産業に就職を希望する学生らの視野を広げる授業が7月7日、本学で行われた。

 ロイヤルホテルは1935年、大阪政財界から「賓客のための近代的ホテルを大阪に」という要望を受け「新大阪ホテル」として大阪市内で開業した。90年には名称を「リーガロイヤルホテルグループ」として全国にネットワークを拡大した。同市北区のリーガロイヤルホテル大阪では2019年にG20大阪サミットの会場になり、各国の首脳が来場。各国間の首脳会議なども行われた。関西の迎賓館としての役割を続け、皇室の使用や大阪市民から親しまれて利用されている。

若い世代に共感を求めるリーガロイヤルホテルの存在意義を
山下さんから聞く学生たち
「ホテルのブランドはそこで働く人」などと
説明する山下愛智さん

 山下さんはリーガロイヤルホテルの経営企画部で中期経営計画の作成に取り組んでいる。今年、開業90年を迎え、創業100年となる2035年を見据えて長期的な計画の中でこの3年間に何をするかを明確に文章にしたものが中期経営計画となっている。「90年の歴史があるものの、1970年代から利用してくださっている方々は高齢になっている。若い人には古くさいイメージがある」と山下さん。そこで20~30代の人たちをターゲットにして、新しいホテルの存在意義(パーパス)を示し、共感して利用してくれる人を増やしていくのが中期経営計画の一つになっている。

 ホテルのブランドを山下さんは「そこで働く人」とし、ソムリエやパティシエなど90年の歴史の中から学んだ技術力に加え、若い人の努力を正当に評価してブランド強化にも努めている。「サービスとは人が誰かのために何かをすること。人によってその品質が変動する。そこに共感した人がいま働いている」とサービス向上を惜しまないブランド強化こそが今後の成長につながっていく。そして年功序列の制度を廃止して「若い職員の早期の活躍を促している」と若い力を後押しする。 ブランド強化によって若い世代のカテゴリーに共感を求めて、新しいパーパスを示していく。「人を、地域を、日本を、世界を、あたたかい心で満たしていこう。」というロイヤル流のおもてなしの原点を山下さんは強調した。

 国際文化ビジネス・観光学科2年の齋藤かのんさん(20)=東京都荒川区出身=は「東京出身なのでリーガロイヤルホテルになじみがないけれど、オークラホテルや帝国ホテルと同じようなホテルはお金持ちのおじさま、おばさまが行く敷居の高いイメージだった。そんなホテルが若い人を取り入れていこうとしているのが面白い。ちゃんと私たちの年代が相手にされていると思うとうれしくて」とその理由をさらに山下さんに質問した。山下さんは「これまでのホテルは重厚感があり、重々しいイメージが多い。これからはホットな雰囲気だったり、入ってすぐにバーがあったりと、昭和形式でなく新しいコンセプトに変えていこうとしている。そのためには若い世代がコンセプトの開発に携わり、若い人に選んでもらうようなホテルに変えていく必要がある」と説明した。

 同学科4年の山田大貴さん(21)=京都府福知山市出身=は「EXPO 2025 大阪・関西万博」を訪れて観光客の多さなどを体験し「万博によるホテルへの影響は」と質問した。山下さんは「パックツアーもあり、確実に宿泊は増えている」と答えた。リーガロイヤルホテルは今回の万博で迎賓館の運営に携わっている。連日、各国の要人が訪れている。山下さんは「この半年間で各国のVIPがこれほど訪れることはない。大統領など首脳へのサービス、この貴重な経験がホテルでのサービスに生かされていく」とさらなるサービス向上を目指していく。