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防災・減災セミナー「Withコロナでの避難所運営」を開催しました。

2021年1月10日(日)に、神戸国際大学防災救命クラブ(DPLS:ディプルス)主催の第5回 地震津波に向けた防災・減災セミナー「Withコロナでの避難所運営」を開催いたしました。

例年1月に本学において実施しているセミナーですが、今回は新型コロナウイルス感染症の影響によりZoomを使用したオンライン開催となりました。またテーマもコロナ禍において災害が発生した場合の避難所運営について取り上げました。(写真はDPLS部長のあいさつ)

セミナーは、DPLS部長の挨拶と「ぼうさい甲子園」において特別賞の受賞報告から始まりました。そして、最初のプログラムとして、神戸ユニバーサル研究会代表の黒田崇氏より『災害ボランティアの立場から避難所について思うこと』をテーマにお話いただきました。数々の災害現場でボランティアをされた経験から、高齢者や障がい者などの災害弱者を含む要援護者に対して、防災・減災にどのようなものが必要かとの説明がありました。

次に、「リハビリテーション科医の立場から避難所について思うこと」をテーマに、大阪医科大学 総合医学講座リハビリテーション医学教室准教授の冨岡正雄氏にお話しいただきました。過去の災害関連死と災害発生後に生じやすい健康問題に対し、リハビリテーション医療職のできることについて紹介されました。

続いて、神戸市東灘区医師会の副会長であり、さかた内科クリニック院長の坂田宗昭氏より、「内科医および東灘区医師会の立場から避難所について思うこと」についてお話いただきました。過去の大規模震災発生時の関連死のデータから主な原因や疾患例を説明いただき、コロナ禍で避難所運営する際のポイントや東灘区医師会の取り組みについて紹介がありました。

最後に「神戸市の避難所運営の状況について」をテーマに、神戸市東灘区役所総務課調査係の末森智也氏より、緊急避難場所と避難所の違いや、コロナ禍での避難所運営について実際に神戸市が行っている準備について、場所や運営体制、避難スペースなどの具体的な避難場所での対応、健康などへの配慮について説明がありました。

セミナー終了後に坂田氏は、「避難所では若い人の協力がないと対応が片手落ちとなってしまう。避難所利用の多くが高齢者で、関連死も高齢者に多い。若い人が避難所について知ることで、次に災害が起きた際に関連死を減らす行動につなげることができる。時代が変われば避難所の運営も変わるので、情報通信機器など以前はなかったツールを使用し、今後自分たちに何ができるのか考えて行動して欲しい。」とコメントをいただきました。また、黒田氏からは、「災害弱者を支援する際に若者の力はとても大きい。ボランティアの働きにより災害関連死を防ぐなど減災につながる。ボランティアはハードルが高いイメージがあるが、現地で活動する方々の後方支援にまわることもできる。コロナ禍であってもぜひ災害後や避難所のことを知っていただき、備えるだけでなく活動につなげてほしい。」とお話しいただきました。

セミナーを視聴した学生は、「避難所での深部静脈血栓の発症や死亡は女性の方が多いことや、理学療法士ができることなどを知ることができた。避難所でも軽い運動が大切だからこそ、いざという時には学んでいる自分たちができることがある。コロナの対応を含め、若者として考えていかなければならない。そして知ったからには、このことを広めていかないといけないと感じました。(理学療法学科3年生・男子)」「段ボールが準備された避難所対応など知っていることもあったが、今回のセミナーでは様々な専門職からの観点で知ることができて良かった。コロナ禍であっても、被災後に安心できるはずの避難所が安心なままでいられるように、自分ができることを考えたい。(理学療法学科3年生・女子)」とコメントしています。

初めてオンラインにて開催する防災・減災セミナーとなりましたが、多数の方にご覧いただきました。まことにありがとうございます。途中、機材トラブルによりプログラムの順番に変更があり申し訳ございません。質疑応答は後日アンケートにて対応させていただきます。