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高校生が3日間大学に通い講義を体験する「アカデミックインターンシップ」第二回開催レポート

2022年8月8日~10日の3日間、高校生を対象に、大学で行われている講義を本番さながらに体験する「アカデミックインターンシップ」を開催しました。
「アカデミックインターンシップ」は、講義や実験・研究発表を通じて興味・関心を広げながら、進路選択や将来の夢を考えることを目的としています。
2022年3月に第一回が実施され、好評により今回は第二回の開催となりました。

第二回は「理学療法分野」「経営分野」「ファッションビジネス分野」の3分野で構成され、兵庫県、大阪府、京都府、三重県、広島県、福岡県から合計11名にお越し頂きました。

【アカデミックインターンシップの流れ】
1日目・2日目→講義(実験や測定含む)・グループワーク
3日目→3分野合同でそれぞれの研究成果を発表

・理学療法分野
 「骨格筋の機能特性と身体制御が運動パフォーマンスへ与える影響について」
・経営分野
 「ラーメン店を企画してみよう」
・ファッションビジネス分野
 「人気ファッションブランドのビジネス手法を探ろう!」

【1日目

各分野自己紹介から始まり、グループに分かれて他者紹介などのアイスブレイクを挟んで講義に入りました。
講義ではパワーポイントや骨格標本などを使用し、行き詰った際には担当教員やサポート学生に相談しながら作業を進めていました。
理学療法分野の参加者からは「筋肉の構造や骨の名前について詳しく知ることができた」との感想もありました。

【2日目

1日目に引き続き、チームに分かれて3日目の研究発表で使用するパワーポイントを作成する作業や議論を行いました。
サポート学生が実際にプレゼンテーションした時の動画を見せて、参加者はイメージを掴み、担当教員は研究方法、資料の調べ方などについても細かくアドバイスをしていました。

【3日目(講義)

午後に研究発表があるため、プレゼンテーションのリハーサルを行いました。
サポート学生がプレゼンテーションを見本として行い、その後参加者が行うなどサポート学生の補助もあり、研究発表に備えて準備をしていました。

【3日目(研究発表)

研究発表は3分野合同で行われました。
各グループは、人気ブランドのビジネス戦略について、人気の理由や様々な軸を利用したターゲット戦略を基にした分析によりブランドの個性を浮かばせる発表や、上腕二頭筋は前腕の位置によって働き方が違うことを学び、筋電図を使用した実験・考察についての発表、六甲アイランドの男女比や地域性をもとに、健康志向で女性でも入りやすいラーメン店についてのプロモーション方法や、経営費の想定まで行った発表などがありました。

各グループのプレゼンテーション後には質疑応答があり、発表内容について、発展させようとする場合にはどのようにすれば良いのかなど多くの質問が出て、参加者は3日間の研究を基にした自分の考えを堂々と答えていました。

・審査結果
最優秀賞 理学療法分野
優秀賞  経営分野

講評では「今回の経験をもとにさらに様々なケースを検証・考察することにもつながるので、引き続き色々なことを学んでください」とのコメントがあり、審査員全員が各グループ3日間で完成させたとは思えない素晴らしい研究発表だったと評していました。

最後に各分野に分かれて修了証が授与されました。
また、参加者同士でお互い労いの言葉を掛け合い、担当教員やサポート学生と共に感想を共有しました。他校の生徒と仲良くなれたことに参加者も喜んでいました。悔し涙を流す参加者もおり、またそれを励ます様子も見られ、3日前まで他人だった方同士が、協力して作業をすることで強い絆を作ることができていました。

■参加者コメント

【理学療法分野】
もともと医療分野への進路を考えており、看護以外の医療分野の学びについて知りたかったことと、講義内容などにも関心があったので参加しました。
初めは緊張しましたが、先生や大学生の雰囲気が暖かくてすぐに馴染むことができ、毎日大学に行くことが楽しみでした。
実験に使用した機器は初めて見るものばかりで、今後医療分野に進学・就職した時に非常に参考になると思いました。
参加したことで新しい自分と出会え、自信につながったので、今後の進路選択に活かしていきたいです。

【経営分野】
初めは緊張しましたが、サポート学生・留学生の方が優しく接してくれたので落ち着ていて勉強することができました。
グループ内で調整し、資料集めをしてパワーポイントの作成まですることは難しかったのですが、すごくやりがいを感じることができました。

【ファッションビジネス分野】
最初は不安だったのですが、先生やサポート学生の先輩がサポートしてくれて、すぐにみんなと仲良くなることができました。貴重な体験をすることができました。

賞を取れなくて私自身悔しかったです。また、サポート学生の先輩に賞を取って感謝の気持ちを表せなかったのが残念でした。次回も絶対参加したいと思います。

■参加者保護者コメント

進学先の大学を探す中でこのイベントを知り申し込みました。研究発表を見て、この3日間が本人の成長になっていることと、そのスピードの早さに驚きました。初めて会う人と一緒に協力し、自分の考えを伝えなければならないという場があり、良い緊張感があったのだと思います。
参加が決まった時は、本当にできるか不安でしたが、1日目終了時に「友達ができた!」と楽しそうに話していたので安心できました。一人では難しい内容だと思いましたが、協力することでやり遂げることができたようです。
講評の際に学長がお話されていた「生き抜く力」は、このような経験を通して育まれるのだと感じました。

高校2年生の父親

高校から保護者宛てにアカデミックインターンシップの紹介がありました。夏休みの子どもに良いと考え勧めると、興味を持ち参加しました。高校1年生のため、3日間やり遂げることができるか心配でしたが、楽しそうに参加しており安心しました。
家では、研究で学んだ内容や発表については詳しく教えてくれませんでしたが、資料を持ち帰り勉強していたようです。今回研究発表に参加し、レベルの高さに驚きました。また、子どもの成長も感じることができました。

高校1年生の母親

■サポート学生コメント

【理学療法分野】
最初に解剖学を座学で学ぶのですが、初めての言葉に参加者も戸惑っていました。そこで、自分が下級生の時の部位の覚え方を思い出しながらレクチャーしたり、医学を勉強したことがない方でもわかるような説明を意識しました。
また、実験の際は、動きやすいようにわかりやすく伝えるように心がけました。
発表用の動きの動画を撮影するなど、参加者と一緒になって考えたので、今まで勉強したことを振り返る良い機会になりました。

【経営分野】
パワーポイントもきれいにわかりやすく作っており、3日間とは思えない完成度でした。
自分たちで積極的に調べて発表するタイプの高校生だったので、発表の際に質疑応答が来た時にどう返すかなどの想定問答を中心に練習しました。
また、説明の中で根拠が足りないなと感じることがあれば突っ込んで聞いてあげるなど工夫しました。

【ファッションビジネス分野】
どうすればうまく参加者にアドバイスできるか非常に悩みました。普段からファッションビジネスについて学んでいるので私は内容を理解することができましたが、何も知らない状態で今回のスライドを作成することは大変だったと思います。
2日目になると一人ひとりの内容理解が深まり、スライドの質を大幅に上げることができてとても達成感がありました。
アドバイスやサポートをするといったことは、簡単そうに見えて大変なことだと改めて実感しました。

■担当教員コメント

【理学療法分野】
コミュニケーション力が高く、初対面でも仲良く会話ができていました。実験中や骨標本をデッサンしているときの参加者の皆様の学ぶ姿勢、目の輝き方、集中力が高くて非常に驚きました。
レベルの高い発表グループの中で「最優秀賞」を頂けたことに参加者の皆様のセンスの良さ・努力、指導してくれた本学の学生に心からの敬意を示します。おめでとうございます。

医療は科学的な根拠に基づいて行われているので、筋肉を使った体操の1つでも意味があり、それを正しく見極めていく力を参加者の皆様には今後身につけて欲しいと思います。
自分の人生には前例がありません。自分が進みたい道があれば進むだけです(進んでみないとどんな道かも分かりません)。将来へ続く希望の道を決めるとき、この夏の神戸国際大学での出会いが一歩でも前進につながれば幸いです。

リハビリテーション学部 理学療法学科
専任講師 南場 芳文

【経営分野】
企画案は理論にかなっており説得力があるものでしたし、同時に参加者の皆様の創造力によってとても魅力的でもありました。また、プレゼンテーションには工夫も見られ、発表会場では聞いている人の関心をうまく捉えていました。本当にこんなラーメン店がほしいと思った人は多かったのではないでしょうか。

今回は架空の条件として、企業の立場に立って考えてみました。これをきっかけに、実際の企業の取り組みを見る参加者の皆様の目に少しでも変化があることを期待しています。また、機会があればいろんな企画に挑戦し、創造力に磨きをかけてください。

経済学部 経済経営学科
准教授 上田 恵美子

【ファッションビジネス分野】
参加者の皆様は3日間、本当によく頑張られたと思います。
演習をしていて「内容が難しい」という意見もありましたが、解説する度に、驚くほど内容を理解してまとめ上げたことに敬意を払います。
賞をもらえず悔し涙を流した生徒もいましたが、その気持ちがとても大切です。
社会人の仕事は、結果を出すのが当たり前の考え方になります。「出来上がって当たり前」「成功して当たり前」といった世界で戦っていきます。大学の勉強は「理論的思考力」「コミュニケーション能力」「プレゼンテーション能力」を身につけてその準備をしていくところです。

今回の悔しい気持ちを忘れずに、アスリートのように心を鍛えていく第一歩として前向きに進んでいってください。
参加者の皆様とこのような体験ができたことを心より感謝しています。

経済学部 国際文化ビジネス・観光学科
教授 山本 ひとみ

■リンク
・第二回アカデミックインターンシップ