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ホテル・オペレーションの授業において、神戸メリケンパークオリエンタルホテル総支配人の特別講義を行いました

経済学部の3年生を対象とした、ホテル・オペレーションA(担当:服部淳一専任講師)の科目では、サービスにとどまらず、マネジメントも含めたホテル・ビジネスに関する応用的な知識、ならびに関連するステークホルダーの役割について理解できるようになることを目指し学習しています。

この度、神戸メリケンパークオリエンタルホテルの総支配人松岡正氏による特別授業を行いました。

神戸メリケンパークオリエンタルホテルは、神戸港のシンボルである神戸ポートタワーや神戸海洋博物館が建ち並び、最も神戸らしさを感じさせる場所であるメリケンパークにあるホテルです。

転職によるキャリアアップが一般的なホテル業界において、松岡氏は長年同じホテルで働きキャリアを築いてこられました。今回の授業では、ホテルで働く人に求められる能力が社会の変化に合わせてどのように変化したのか、そして総支配人の仕事内容についてお話いただきました。

初めに松岡氏によるホテルの紹介がありました。神戸出身の学生はもちろん、他府県や留学生も一度は目にしたことがあるホテルです。「SLOW LUXURY」をテーマにした宿泊だけでなくレストランや宴会場、会議室を持つフルサービスホテルを提供しています。

講義では、施設設備やサービスの特徴だけでなく、総支配人としての立場から宿泊以外の売上・利益も重要であることや、地域に愛されるホテルになるための取り組みなどもお話しいただきました。

神戸の夜景を楽しめる「VIEW BAR」。週末には、老舗ライブハウス「チキンジョージ」がプロデュースするステージで生演奏を実施しています。

次にフレンチのギャルソンからホテリエとしてのキャリアをスタートさせた経歴とともに、長く同じホテルで働く松岡氏の視点でホテルビジネスの経営環境について紹介がありました。

職位が上がるにつれて変わる仕事の役割だけでなく、阪神・淡路大震災が起きた時のホテルの状況や、オーナーが日経企業から外資系企業に変わった時代のこと、ホテルの強みを伸ばすために改装をしたこと、インバウンドによる影響や、コロナ禍をどう耐えているのかなど、具体的な事例をもとにお話しいただきました。

また、総支配人の仕事の紹介もありました。巡回のタイミングや目的だけでなく、本部との会議やホテルの打ち合わせや幹部会議、宿泊売上予想の会議など、1日の流れを通して教えていただきました。

さらに、ホテルの経営だけでなく地域貢献活動や地域発展のための集まり。業界関係者との活動についてお話しくださいました。

最後に、総支配人として必要な「経営者の代行」「エンターティナー(接遇者)」、「教育者(リーダーシップ・組織管理)」「外交官(地域とのつながり・貢献)」の役割について事例も説明いただきました。

終了後の質疑応答では、早くに昇進された背景や、今後の採用予定や運営方法などについて質問がありました。ご自身のことだけでなく、今後のホテル運営についても具体的な予定も含め回答いただきました。
(写真は授業後、さらに質問したいと集まった学生にお答えいただく様子)

■参加学生コメント

総支配人が忙しい日常においても、ホテル内の従業員との関係だけでなく、地域の方や他ホテルの総支配人との関係も大切にしなければならない理由がとてもよく分かりました。私も縁やつながりを大切にしたいと思いました。(国際文化ビジネス・観光学科 3年)

ホテルのレビューや⼝コミを見ることはたくさんありますが、⽀配⼈⽬線の話を聞くことができとてもいい機会になりました。バーの改修時のエピソードを聞いて、ホテルとライブハウス、アーティストが連携をとることで、三⽅がwin-winの関係を結ぶことや、象徴的な外観だけではなく本当の意味で地域の⽅から愛されるホテルを⽬指すなど、どの話も聞いていて興味深く勉強になりました。(国際文化ビジネス・観光学科 3年)

■担当教員コメント

神戸を代表するホテルの一つである神戸メリケンパークオリエンタルホテルの総支配人である松岡さんにお越しいただき、貴重なお話をたくさんお伺いすることができました。
ホテル総支配人の役割は利用客の満足だけでなく、従業員の満足、企業の利益、パートナー企業との連携、地域との交流など多岐に渡ります。激務にも見えるこのような仕事を、本当に楽しそうに、そして周囲を巻き込みながら取り組まれる松岡さんのお話を聞くことでモチベーション、コミュニケーション、リーダーシップなどの大切さを再認識してもらえたらと思います。

経済学部
服部淳一専任講師

■リンク
神戸メリケンパークオリエンタルホテル