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ファッション・マーケティングの授業において、デザイナーによる特別講義を行いました

経済学部を対象としたファッション・マーケティングの科目(担当:山本ひとみ教授)では、ファッションマーケティングにおける基本的な知識とトレンド分析方法を学んでいます。

この度、2022年5月13日(金)と20日(金)の2回にわたり、ファッションデザイナーの久保貴信氏による特別授業を行いました。

久保氏は大手アパレル企業のマーチャンダイザー(MD:商品開発や販売戦略をまで行う仕事)を経て、自身の立ち上げたブランド「GAIROJU」では、2020年に東京ファッションウィークにおいてコレクションを行いました。(写真はコレクション時のもの)

授業は「ファッショントレンド分析と商品企画」と「マーチャンダイジング(商品化計画)」について2回に分けて実施されました。13日に実施された「ファッショントレンド分析と商品企画」では、はじめにペルソナマーケティングが紹介されました。ペルソナとは、年齢や性別、住んでいる地域だけでなく、職業や年収、家族構成、趣味、価値観まで設定した架空の消費者像です。授業では、より具体的な提案をすることを目的にペルソナを設定するアパレル企業の事例が紹介されました。

ファッショントレンドをどのように商品企画に活用しているのか、ハイブランドからファストファッションの事例や、自身の経験をもとにアパレル企業の仕事についてお話しいただきました。

20日には、顧客の志向別にファッションの系統を分類し、前回学んだペルソナターゲットやファッショントレンド分析に当てはめて学びました。また、素材やデザインだけでなくテーマなどを含めた服の要素を学びました。商品化にあたり、テーマを深堀することの重要性について、実際のブランドを例に説明いただきました。

テーマを含めた服の要素がつながっているかを理解するため、自分で商品をデザインする演習を行いました。ファッションデザインをイラストにするだけでなく、色や柄、テーマなどを決めるだけでなく、着用シーンや価格まで考えました。久保氏は、学生の描いたイラストについて、テーマに対する考え方や素材・デザインが、着用シーンにあっているかなど、デザイナーの視点でコメントをしました。(写真は科目を担当する山本ひとみ教授)

両日とも授業は講義だけでなく、質疑応答を積極的に行いました。ファッションビジネスの現状や、業界の就職事情などアパレル全体のだけでなく、ブランドを長く続ける上で大切なこと、価格設定の考え方、制作現場のことなど、MDやファッションデザイナーとしての質問があり、一つひとつに対して、経験や考えを回答いただきました。

■参加学生コメント

服が好きで、専門的な知識を身につけたいと思いこの授業を履修しました。デザイナーの方のリアルな考え方を直接聞くことが良かったです。ファッショントレンドを考える上で、ペルソナについては知っていましたが、その人物が憧れる人や、その先の憧れる人の嗜好まで調べることは驚きました。
今はアパレルショップでアルバイトしていますが、商品入荷時にはデザインと素材のテーマとの繋がりや、マーケティングについて意識しながら働こうと思いました。

経済学部 国際文化ビジネス・観光学科
3年 柏木 愛音さん

プロのデザイナーによる講義は、いつもと異なる緊張感があり、刺激がありました。ファッショントレンド分析やペルソナマーケティングでは、自分の好きなブランドがどうなのかを考えてみました。
今後、トレンドについてもっと詳しく知りたいと思いました。実際の買い物時だけでなく、ファッション業界の情報収集もしたいと思います。

経済学部 国際文化ビジネス・観光学科
3年 神崎 浩宇さん

■担当教員コメント

本科目は、ファッションブランド企画の基盤と構造を理解し、世界のファッショントレンド情報の仕組みと消費者の感性分析との関係を学びます。

今回のゲスト講義では、トレンド分析から具体的な商品デザインに落とし込むプロセスを学んでもらいました。久保氏は、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨーク、東京で開催される世界のコレクションショー「東京ファッションウイーク」でご自身の作品発表をされましたが、日本で若者に人気のブランド企画も手掛けておられるため、トレンドモードからリアルクローズまで対応できるデザイナーです。

この度は、非常にわかりやすく丁寧に解説していただいて、学生も身近なイメージで受講することができたと思います。学生の質問の中には、「作品イメージのモチーフはどのように生み出すのか」「ネタ切れはないのか」等々、クリエイターに対して興味津々な様子が伺えたので良かったと思います。

経済学部
山本 ひとみ教授