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理学療法学科の学生が、株式会社アシックスの協力を得て、運動中の身体データをデジタル統合化するシステムを活用した研究活動を行いました

神戸市に本社を置く株式会社アシックスの協力を得て、本学の体育館で部活動に励む選手を中心に、運動中の身体データを測定する試みを行いました。

今回活用したのは、アシックスが開発を進めている「TUNEGRID(チューングリッド)」と呼ばれるスポーツデータ統合システムです。なかでも、歩数計となる「TUNEGRID-Cube (チューングリッド・キューブ)」は、小型のセンサーを装着することで、受信機を介して各々の歩数記録を一括してチーム内で管理できるという利点があります。

世間でも、類似のウェアラブル機器が身近な存在になりましたが、アシックスのチューングリッド・キューブは、大人数の運動の数値がリアルタイムデータとして一括化されるため、スポーツ現場における監督やトレーナーが選手の動きを客観的に把握できたり、老若男女問わず集団における健康増進活動などで活用できたりするのが大きな特徴です。

スポーツ向けのビデオカメラを併用し、選手や監督がパフォーマンスの確認をしたり(フィードバック)、プレーに活用(フィードフォワード)することができるのも特徴の1つです。

このシステムを使用して、理学療法学科の木下ゼミの学生が卒業研究の一環として、本学のハンドボール部に協力を仰ぎ、練習における各選手の運動量を測定しました。また、得られたデータから、運動の再現性やポジション別の動きを追及する目的で解析を進め、基礎的な研究活動に挑みました。

学生たちは、事前に アシックスの担当者から機器の説明を受け、予備実験を経て綿密な準備を重ね、数回に渡る測定を行いました。理学療法学科の学生たちにとって、ハンドボール部の選手は、普段接することのない経済学部の学生です。初対面での測定は、最初こそ緊張の面持ちでしたが、徐々に打ち解け合い、2 回目の測定が終わる頃には、両者が最高の笑顔を見せてくれる一幕もありました。

■測定を実施した学生たちの声

●研究に関する意見

「測定にあたり、しっかり準備をして臨めたので、自らスムーズに動くことができてよかったです。」

「経時的なデータを記録することで、変化を見てとれ、あらかじめ予想していたことと照合しながらデータの推移を見ることが楽しかったです。」

「様々な文献を見ていて、論文になる研究の裏で、どのようなことが行われているかが未知で不安だったが、自分たちで研究計画を立て、実際に測定することで、研究の裏が知れてよかったです。」

「測定した結果をこれから分析して、どのような結果が出るのかが楽しみです。」

●学部の垣根を超えた交流に関する意見

「測定を行うにあたり、アシックスの方や経済学部の先生、ハンドボール部の学生など、普段接することのない様々な方が測定に関わっていて、交流できたことが楽しかったです。」

「測定を通して、初対面の方とのコミュニケーションを磨く良いきっかけとなりました。」

■木下めぐみ 助教 コメント

現在、ゼミでデータ解析を進めて、新たな発見を見出しているところです。
この研究活動を通して、各々が自ら考え遂行し、技術的な解析方法を学びながら、積極的に探求心を抱いている姿がとても印象的でした。楽しみながら疑問を解明しようとする姿勢こそが「生きた学び」であり、学生たちにとって、価値ある経験ができたと思います。また、学部の垣根を超えた交流ができた点も大きな成果でした。
このような「生きた学び」は、今後の国家試験対策や卒業後の理学療法士としての臨床活動でも必ず役に立つものと思われます。

■リンク
株式会社アシックス
チューングリッド