NEWS

  • お知らせ
  • 入試・入学
  • 教育・研究

高校生が3日間大学に通い講義を体験する「アカデミックインターンシップ」を開催しました

2022年3月28日~30日の3日間、高校生を対象に、大学で行われている講義を本番さながらに体験する「アカデミックインターンシップ」を開催しました。

「アカデミックインターンシップ」は、講義や実験・研究発表を通じて興味・関心を広げながら、進路選択や将来の夢を考えることを目的としています。

第1回目の今回は、「理学療法分野」「情報分野」「ホテル分野」の3分野で構成され、兵庫県や大阪府からだけでなく、広島県などの新高校2・3年生合計10名にお越し頂きました。

理学療法分野
テーマ
「地球上の重力に対して、
 人間はどんな機能を使ってバランスを保っている?」
・情報分野
テーマ
「データ分析体験をしてみよう」
・ホテル分野
テーマ
「神戸国際大学の隣の空き地にホテルを建てるなら?」

【1日目

各分野に分かれた講義は、はじめに自己紹介やアイスブレイク、サポートを務める本学の在学生の紹介やテーマに沿った研究・実験の進め方の説明などを行いました。その後、それぞれの専門について講義がありました。人間の身体のしくみや、データ分析やAIの活用、ホテルの分類など、これから3日間行う研究の基礎を学びました。
後半は、調査や実験、分野内での発表などを実施しました。サポート学生がリードし、初めは緊張していた参加者も徐々にリラックスしている様子でした。

【2日目

初日の復習から始まり、引き続き調査や実験を実施。また、参加者同士やサポート学生とのディスカッションを行い、グループの案をまとめる作業に入りました。
さらに最終日の研究発表に向けて、資料作りやプレゼンテーション方法の指導も行いました。
教員やサポート学生のアドバイスのもと参加者は積極的に参加しており、講義の終了時間が来ても参加者同士で相談して可能な限り延長して資料作成に取り組み、翌日の研究発表への意欲を見せていました。

【3日目

研究発表に向けてプレゼンテーション資料の最終確認や修正、リハーサルを行いました。話し方や発表の強弱、スライドを送るタイミングなどを先生や在学生から改善点の指摘を受け、時間の計測も行い準備をしました。

3分野合同で行われた研究発表では、プレゼンテーション後に質疑応答、講評を実施しました。調査や実験、ディスカッションなどを通じて出てきた結論や、ターゲットを絞った新規提案など、バリエーション豊かなプレゼンテーションが見られました。また、質疑応答では、在学生や教員から分野を越えての質問もあり、参加者は自分なりの意見を伝えることができていました。講評では、各学部長から良かった点や改善点が伝えられ、参加者は今後のプレゼンテーションに向けての参考にしようと聞き入っておりました。

審査の結果、最優秀賞、優秀賞として、ホテル分野の2グループが受賞。また、本学辻学長からは、全体的に非常にレベルが高く、3日間の成果が出ていた発表であったと全体に講評がありました。
最後に各分野分かれて参加者同士・担当教員・サポート学生と最後の挨拶をして、修了証が授与されました。
3日間という短い期間でしたが、強い団結力が生まれ、別れの際に参加者・教員・サポート学生は名残惜しそうにしていました。

■参加者コメント

ホテル業界にもともと興味があり、大学の雰囲気を知りたくて参加しました。
3日間で発表できるのか、初めは不安もありましたが、ホテルに関する調査やプレゼンテーションの練習をしっかりしたので、緊張はしましたが自信を持って研究発表をすることができました。最優秀賞にも選ばれることができ嬉しく思います。

今回のアカデミックインターンシップに参加したことで、分からないことを調べたうえで、自分で考えることの大切さを実感することができました。また、サポートしてくれる大学生が本当に頼りになり、こんな大学生になりたいと思いました。みんなで意見を出し合うことが大事ということも改めて感じることができたので、今後はさらに勉強に励み、自分の意見をどんどん伝えていこうと思います。

甲子園学院高等学校(兵庫県)
吉村 聖香さん

1日目の実験が大変でしたが、同じ分野のメンバーと一緒に作業することで自然と会話が盛り上がり、2日目以降も実験や研究発表に向けての資料作成などをスムーズに進めることができました。また、配布されたプリントを参考にして難しい医療用語も調べ、医療現場での表現方法の勉強にもなりました。

今回参加したことで、普段気にすることがない細かい部分まで疑問を持つことができるようになり、さらにもっと色んなことを詳しく知りたいと思うようになりました。他のグループや分野の参加者のプレゼンテーションの方法も参考になったので、良い部分を取り入れていきたいと思います。

如水館高等学校(広島県)
坂本 菜摘さん

■サポート学生コメント

大学で受けている講義の経験から、プレゼンテーションのための資料収集や発表の方法などを伝えましたが、自分たちの意見が強く反映され、参加者の考えを邪魔することのないようにサポートすることがこんなに難しいのだと気付くことができました。

講義の内容を理解し、参加者自ら考え、それらをまとめて発表できるようになるのをそばで見ることができ、私たちもとても嬉しく感じました。また、私たちが専門科目等で学んだことを相手に理解してもらえるように伝えることは、自分の勉強にもなりました。

経済学部 国際文化ビジネス・観光学科
新4年次生 二宮 千春さん
新4年次生 竹本 菜香さん

実験でのサポート以外にも、発表までの段取りや構成などをアドバイスしました。内容的には少し難しかったのですが、参加者が楽しんで学んでいる様子を見ることができて良かったです。

また、参加者と自分の間に知識の差がある場合に、どのように落とし込んで説明すればわかりやすいのか、その方法を見つけることに難しさを感じました。今後の臨床実習などでも、大学で学んだ知識を患者様にどのように説明すればわかりやすく理解していただけるかが重要になると思うので、この経験を活かしていきたいと思います。

リハビリテーション学部 理学療法学科
新2年次生 保子 陽さん

■担当教員コメント

【ホテル分野】
初めは初対面同士ということで、「相手も自分の意見もどちらも正しい」と理解しながら、それでも自分たちの考えを言い合える仲にすることを求めました。また、いろんな種類のホテルがあることをインプットし、ゴール設定を明確にしました。
お客様を楽しませることが大切だが「他人を楽しませる人が誰よりも楽しむ」ことを伝えていたので、研究発表ではそれをしっかりと実行に移せていたと思います。

ホスピタリティ(おもてなし、いかに現場でお客様に喜んでもらうか)より、ホスピタリティビジネス(どんな人に来てもらうか?そもそもどんなホテルにするか)について深く考えてもらうことを重要視しました。「こんなホテルを作りたい」という言葉を聞くことができ、現場視点でなく経営者視点で見ることができつつあると感じました。ホテルの経営者だけでなく、従業員一人一人が経営学を指針に自分が何をすべきかを考えるきっかけになると思います。

経済学部 国際文化ビジネス・観光学科
服部 淳一専任講師

【情報分野】
現代社会にどれだけのデータが身の周りにあり、課題解決のためのデータ分析が大切であることをまずは知ってもらいました。また、課題解決が大切ではあるが、そもそもは状況把握から入っていく必要があるということも併せて伝えました。

自分の言葉で、問題提起・仮説の立て方・対処方法・まとめすべてを話すことができていたので、知識をただ覚えるだけでなく、課題解決するためのプロセスをしっかりと行う力などが身についたと感じました。自分で問題解決できる力や仮説力(誰に対して、どういう風な課題解決を行いたいのか)、仮説をたてる力は情報の分野では重要なスキルなので、今後も伸ばしてほしいです。

経済学部 経済経営学科
松崎 太亮教授

【理学療法分野】
実験をメインにして、医療分野の専門的な学習内容を楽しく学べることを意識しました。
短期間でありながら、参加者が専門用語をすぐに覚えて使えるようになったことに驚きを感じました。実験データから、統計学的な手法を用いて数値を解釈したり、実験の裏にある理論を学んだりと、難易度は高かったと思いますが、それらを照合しながら考察をするプロセスができていたことも印象的でした。
研究発表を通して、考える力、起承転結に沿ってまとめる力、端的にまとめるための国語力などを身につける良い機会になったと思います。この経験を高校生活での発表の場などにも活かしていただきたいです。人間の身体の奥深さや面白さを感じることのできる理学療法分野に興味を持つきっかけになってほしいです。

リハビリテーション学部 理学療法学科
木下 めぐみ助教

■リンク
アカデミックインターンシップ