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第6回神戸国際大学地震津波に向けた防災減災セミナー「災害時のグリーフケアについて」を開催しました

2022年1月9日(日)神戸国際大学2号館4階ミカエルホールにて、本学防災救命クラブDPLS(ディプルス)が主催する地震津波に向けた防災減災セミナーが開催されました。

同セミナーは今後30年以内に発生する危険性が高いとされる南海トラフ地震に対し、地震や津波の被害を最小限にすることを目的に、阪神大震災や東日本大震災等の過去の大災害を振り返り、地震や津波に対する備え、また、防災・減災について考えていく機会として地域住民の皆様と学生がともに専門家から学ぶための講演会として2017年から継続して毎年開催しております。

「災害時のグリーフケアについて」をテーマとした今回は、多くの尊い人命が犠牲となることが想定される大災害発生時において、突如親しい者を失い深い悲しみに包まれた当事者への関わり方などを医師、看護師、聖職者の3部門の専門家から学ぶことが大きな目的となっています。

【当日のご登壇者】

  • 河村 博之 氏(神戸国際大学 キリスト教センター チャプレン)
  • 藤原 志寿子氏(コウダイケアサービス㈱ 看護小規模多機能型居宅介護「うさぎの丘鈴蘭台」管理者・緩和ケア認定看護師)
  • 村上 典子 氏(神戸赤十字病院 心療内科部長)

【キリスト教の視点と実践から】

身近な死の体験が死について考えるきっかけとなったという河村博之氏は「死はすべての人に訪れる、そしてそれは(若い人にも)常に隣にある」とお話され、死を意識することで今ある命を大切にすることを来場者に伝えられました。

【終末期の心のケア】

藤原志寿子氏は死というものを「人生最後の大仕事」として考えた時に、周囲の者は旅立つ人が最期に求めるものを理解し、体と心の穏やかさを与えるような関わりが大切であるとお話しされました。死は忌み嫌うものではないという視点もあることを来場者に伝えられました。

【災害における遺族支援】

村上典子氏は、災害発生からの時間経過を「災害急性期」「災害慢性期」「災害復興期」の3つに分け、それぞれの段階において必要なグリーフケアをご自身のご経験からお話されました。また、DMORT(災害死亡者家族支援チーム)の活動についてもご紹介されました。

当日は登壇者3名と来場者によるパネルディスカッションも実施され、地域住民の皆様や本学リハビリテーション学部の学生から講演内容に関して更に掘り下げた質問や、それぞれの登壇者が普段の業務にいて死に接する場合の心構えについてなどの質問が制限時間いっぱいまでなされました。

主催の防災救命クラブDPLS(ディプルス)は救急法やAEDの使い方等の講習などを地域や学校などを対象に実施する活動を行っており、同セミナーについても防災啓発の一環として6年連続で実施しております。次年度以降もまた違った視点・テーマでのセミナーを企画実施してまいります。

【DPLS部員の声】

今回の防災減災セミナーで、死はそばにあるということ、人生の最後にどう向き合うべきか、災害によって家族を亡くされたご遺族からの苦悩を傾聴し、受け止めることの大切さなどの話を聞き、命について改めて考えさせられました。死は意外と身近なものであるということを意識し、今後DPLSの一員として命の大切さと共に広めていきたい。また、私自身も今回のお話で学んだことを活かして、患者様やそのご家族に寄り添うことのできる理学療法士になりたいと思いました。(DPLS所属・リハビリテーション学部/3年/男子)

【ご来場者の声】

  • 河村先生が仰ったように、コロナによって死というものは急にやってくるかもしれないと考えるようになりました。今日のお話を聞いてとても勉強になりました。ありがとうございます。(50代女性)
  • 過去の災害を忘れないためにも毎年このようなセミナーをぜひ行ってほしい。(70代女性)
  • 死について考えることや終末期のケア、また災害で被災された方々による遺族支援についてもたくさん知ることができました(20代男性)