【観光×医療コラムVol.1】 神戸国際大学を取り巻く状況はコロナ禍でどう変化しているのか?

新型コロナウイルス感染症では観光・医療は特に注目された現場です。今回は「観光×医療」特集として、経済学部 国際文化ビジネス・観光学科とリハビリテーション学部の教員・学生から見た「神戸国際大学を取り巻く状況はコロナ禍でどう変化しているのか」について対談していただきました。現状からアフターコロナに向けた学びについて4回に分けて連載していきます。(2021年1月インタビュー、2022年度大学案内パンフレット掲載)

今回、対談いただくのはこの4名です。

武政先生は神戸大学大学院保健学研究科で准教授を経て、本学リハビリテーション学部長として、日常生活支援学演習など教えています。その傍らも現在理学療法士としてリハビリテーション医療に携わっています。
北先生は、(株)日本交通公社(現JTB)に在籍後、他大学を経て本学では、国際観光論、観光経済学、観光マーケティング論など教えています。今回はお二人の専門家に加えて、経済学部 国際文化ビジネス観光学科 3年生 三橋さん、リハビリテーション学部 3年生の村上さんを交えて、それぞれコロナ禍で感じたこと、見えてきたことについて語っていただきます。

コロナ禍の各業界について現状を教えてください

北先生 新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)前の観光業界は、訪日外国人旅行客数が年々増加していました。特に2020年は、国際的なスポーツ大会が予定されていたこともあり、年間4千万人の来日が見込まれていました。そんな中、コロナの影響で人の流れが止まってしまったことで、やはり業界全体が影響を受けています。国連世界観光機構(UNWTO)の調査によると、観光産業は世界全体のGDPの10%を占め、10人に1人が観光産業に従事しているといわれています。すそ野が広い産業だけに世界経済にも大きな打撃となっています。しかし、旅と交流は人間の営みの根源となるもの。コロナが収束さえすれば、観光業界は復活すると考えています。インバウンド需要が回復し、外国人旅行客も戻ってくることでしょう。現在は「コロナと上手く付き合っていくには、どのようにすれば業界全体が変化していくべきか」を問われる時期にあります。

武政先生 私たち理学療法士も、コロナの影響は避けられません。リハビリ分野の機能を一部停止した病院・施設は全体で17%にのぼります。病院では集中治療室への入室が制限されたり、福祉施設も理学療法士の訪問や、患者様の通所がとりやめになったり・・。
数ある施設でも特に、障碍者福祉サービスは大幅な業務縮小が行われたそうです。
また、スポーツクラブにおける感染拡大の報道を受けてメディカルフィットネスにも影響がありました。安心してリハビリを受けてもらうために、感染予防やスケジュール調整、面会禁止に際しての説明など、感染拡大対策に付随する業務が増加したのは言うまでもありません。リハビリを必要とされる方には、身体の弱い方が多くいらっしゃいます。収束の兆しが見えない中これからはますます柔軟な対応が求められるようになると感じています。

在学生のおふたりは1年間(2020年度)はどう過ごされましたか

三橋さん 授業はオンラインになりましたが、自分のぺースて学習できるのは良い点だと思いました。対面授業と比較すれば、どうしても先生との距離は遠くなってしまいますが少しずつ対面授業も行われるようになり、従来の学習環境が戻リつつあります。部活動の日本文化部も2020年7月よリ活動再開し、11月にはオンライン神国祭(大学祭)て書道パフォーマンスを披露しました。アルバイトはブライダル関係の仕事なので2020年上半期はキャンセルが相次ぎました。しかし秋頃になると上半期にキャンセルされたお客様が続々と緒婚式を挙げられるようになりました。コロナ禍の挙式を考えるきっかけになりましたね。

村上さん 実習ては病院や施設に赴く予定でしたが学内での実施に変更となりました。そのためオンライン授業を受けなから、週に一回から二回ほど対面授業で実技を磨いています。座学でのケーススタディーを中心に取り組みましたが、やはリ理学療法学科の学びは体験してはじめて得られる部分が多いのだと実感しました。コロナ前は授業の合間や空き時間に教室を借り実技や評価の練習に励んでいました。ところがコロナでそれも難しくなったので、同じマンションに住む友人と一緒に勉強しています。

Vol.2では、観光業界の就職についてと、リハビリテーション学部の実習について を予定しています。

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