NEWS

  • 学生の活躍
  • 教育・研究

経営学を学ぶ上田ゼミの学生が、公益財団法人尼崎地域産業活性化機構の主催するイベントで企業インターンシップの成果報告を行いました。

2020年2月21日(金)に実施された「企業インターンシップ合同発表会 ~大学生が提案する、アイディアからカイゼンまで~」は、大学生の起業家精神を育成するとともに、発表の場を設けることで、素晴らしいインターンシップの事例を広めることを目的に開催されます。

尼崎市中小企業センターで行われた発表会は、お越しいただいた70名以上の方の前で、本学および福岡大学で行われた「ビジネスプランコンテスト2019」の上位チームである福岡大学、福岡女学院大学から3チームが、尼崎市内にあるNPO法人および企業とソーシャルビジネス課題解決事業を行っている神戸大学から2チームが集まり、それぞれのプロジェクトについてのプレゼンテーションが行われました。

神戸国際大学の上田ゼミでは、尼崎市にあるプラスチック製品加工業の有限会社中野製作所で行われたインターンシップの経験をもとに、提案プロジェクトの進捗発表を行いました。同社は樹脂を素材とした精密部品の加工を専門とする工業で、販売の主力はメーカー向けの試作品製作事業ですが、近年は新規事業として商品開発を手掛けています。

昨年6月に学生15名が同社を訪問し、あらたな商品開発を行うプロジェクト型のインターンシップがスタートしました。今回の発表では、釣り用ルアーのセミオーダー販売の提案から試作品製作の過程などの成果を発表いたしました。なぜルアーという商品が提案されたのかという背景から始まり、会社が得意とする加工やルアー市場の特徴、ターゲット顧客層の設定過程などが一つひとつ丁寧に説明されました。また、試作品製作にあったってのコスト問題など、プロジェクトとして進めるにあたって苦労した点も紹介されました。実際にルアーの試作品もお見せすることのできたプロジェクト発表でしたが、質疑応答含め笑いもあり面白く、和やかな雰囲気で行われました。

実際に中心となって企業と打ち合わせを続け、発表会ではプレゼンテーションを行った3年生の学生は、「今回のプロジェクトは、企業とのやりとりやプレゼンテーションなど、自分にとって非常に良い経験になりました。一つの製品を世に送り出すことの難しさについて体感しています。それとともに調査を通して顧客層や商品のセグメントなど、市場のことも深く知ることができました。正直に言うと、試作品のコストが問題になった際に諦めそうになりました。ですが、なんとか製品にしたいと言う思いで、企業との打ち合わせを続け解消しました。一つがダメでも他の案を出して、前に進める大切さを学ました。

3Dプリンタでルアーを試作している様子

プレゼンテーションの練習はたくさんしましたが、本番は緊張しました。ルアーと言うテーマですが、釣りをしない人にも興味を持って聞いてもらえるように面白さを意識しました。

他大学のプレゼンテーションを見ることで、発表の仕方やスライドの作り方など改善できるところも沢山気づくことができました。今回のプロジェクトでも、釣り場や好みによって商品が細分化されているルアーという物だからこそ、アンケート調査などを行い、その結果をもとに会社と打ち合わせできると良いと思いました。また、発表だけでなく、そこにいたるまでの課題発見や行動力、プロジェクトの結果が素晴らしいと思いました。今後意識していきたいと思います。

あらためてこのようなプロジェクトの機会を与えていただいた中野製作所様には非常に感謝しています。まだまだ課題は山積みですが、在学中に製品化・販売ができるように引き続き頑張りたいと思います。」とコメントしています。

またゼミの担当教員で経済学部経済経営学科の上田恵美子准教授は、「プレゼンのデータやスライドについて早くから準備し、何人もの人に見ていただき、当日まで何度も見直しをかけたおかげで、よいプレゼンテーションになったと思います。こうしたプレゼンはブラッシュアップするほどよくなります。直前までこだわって磨きあげたのが功を奏したと思います。そのうえで、背伸びをせず、笑いのネタを仕込みながらムードを作り、自分のスタイルで発表することで一番伝えたかったプロジェクトの内容についてもうまく伝わったのではないでしょうか。

今回参加された学生の皆さんのプレゼンテーションは生き生きとしていました。「自分たちはやったんだ!」という達成感と、いくつもの困難を乗り越えることで経験を積み、「自分は成長した!」という喜びや「さらに成長したい」という欲求も感じられました。また、他の人の発表を聞くことで、大学に入って同じスタートを切ったはずの彼らが成長していることを感じると思います。今回参加した学生たちには、「成長したい」という欲求についてあらためて考え、どんな取組みでもいいのでその欲求を満たす方法を見つけて欲しいと思います。」と講評しています。

■リンク
公益財団法人尼崎地域産業活性化機構
尼崎創業支援オフィス アビーズ ABiZ
教員紹介:上田恵美子